アベノミクスとやらの失敗を、消費増税だけに原因を求める
論調には首をかしげる。
消費増税さえしなければうまくいってたのか?
消費税を再び5%に戻せば、人々はお金を使い始めるのか?
わしは否だと思う。
株で儲かった富裕層は別にして、安倍政権が誕生して以降、
一般庶民の消費が増えたのは、増税前の駆け込み消費の期間
だけなのである!
脱デフレを目標に節度のない金融緩和をして、円安株高に
したところで、国内需要がないから国外に企業が移転してる
わけで、企業は国内に設備投資はしないし、銀行に金が滞留
するばかり、実質賃金は下がり続けているのに、インフレに
なるから、中小零細企業と庶民は苦しくなるばかりだ。
今しばらく待ってくれ、アベノミクスの恩恵を末端まで届け
ますからなんて言い訳を信じる者が、まだいるというのが
不思議でならない。
よっぽど権力に寄生する快感を知っている輩なのだろう。
トリクルダウン効果は、高度経済成長の時代の神話であって、
少子高齢化・グローバリズムへ向かう日本ではもう通用しない。
富裕層のための経済、強者のための経済、弱肉強食の搾取経済
ではなく、貧困層を中間層へ押し上げていく、「経世済民」の
精神が今こそ必要だとわしは考える。
わしはもう60歳を過ぎて、すでに自分がいつ仕事を止めても、
遊んで暮らせる強者になった。
だからこそ、私利私欲抜きで次の世代のことを案じるのだ。
団塊の世代以上の者たちが、なぜ安倍政権を応援できるのか、
理解できない。
若い時は学生運動で反権力を気取っていたくせに、今頃こっそり
右傾化して、弱者を踏みつぶしながら勝ち逃げしようという
根性がまったく情けない。
人の道とは何か?人の徳とは何か?
わしは団塊の世代を反面教師として、子供たちに「道徳」を
説く本をいつか作りたいものだ。